泊共和線の計画ルートが明らかになりました。
図1・北海道電力泊原子力発電所の周辺。道道泊共和線の計画ルートを赤色の線で示す。青色の線は泊原発関係者用の緊急代替ルート。「ラベル」クリックで、地図用のルートや位置を表示し、「航空写真」で非表示になります。 起点側 中間部 終点側 泊原発航空写真(線を消す) 初期画面へ
周辺の避難道路として整備された古平神恵内線・当丸峠は、しばしば冬に通行止めとなります。幹線道路は他に、積丹半島沿いの一般国道229号だけです。泊原発周辺から内陸へ移動する際、蕨岱国富停車場線や一般国道276号に交通が集中する恐れもあります。大津波が発生した場合、袋小路になってしまいます。
さらなる緊急避難路を整備すべく、関係町村は幾度も要望を行ってきました。以下の案が取り沙汰されるも、財源や費用対効果の問題で具体化は進みませんでした。
東日本大震災の発生後、防災対策を見直す目的で開催を重ねた「北海道原子力防災計画の課題抽出に係る有識者専門委員会」は、海岸線以外の代替路線の必要性を報告書に盛り込み、北海道へ提出しました(2011年11月21日)。
これを受け、事態は一気に進展します。
翌12月7日の道議会予算特別委員会の席上、高橋はるみ知事が避難路建設を表明したのです。
道道を認定する議案が2012年最初の議会に提出され、可決されました。同年3月30日付で認定され、路線名は泊共和線です。
上記2・3・4を組み合わせて、行き止まりの道道3路線を避難路として生かしました。 延長は 14.8km(うち未開削 10.8km)で、3工区に分けられます。
規格は車道 5.5m に路肩が両方向とも 1.25m ずつ。トンネル内の路肩は 0.5m ずつです。総事業費は250億円で、うち国が150億円、道が100億円を負担します。完成は2022年度の予定です。緊急性が高いことから、最優先で事業が推進されるものと思われます。
2011年11月11日付北海道新聞朝刊に、「泊原発 国道の代替道路除雪」という見出しの記事が、代替道路のルート図とともに掲載されました。
2011年冬から除雪するのは図1▲の青色で示した道路で、泊村道・共和町道です。普段はテロ対策のため封鎖されており、除雪もされませんでした。
ところが2011年3月に発生した東日本大震災の際、原発の敷地内を通る一般国道229号は津波の恐れで通行止めとなり、原発内にいた関係者約1,300人が閉じ込められました。
そこで、高台を回る町村道を除雪して、通年で原発内へ通じるルートを確保します。除雪は、北海道電力が担当します。町村道の幅員は 5.5m です。舗装されているようですが、路面状態は良好とはいえないでしょう(図1・航空写真の青い線を消し、共和町側の終端を拡大▲)。記事を読む限り、北電関係者のために確保する代替道路で、一般車両の通行は想定していないと思われます(文脈から判断いたしました。実際のところは分かりません)。