正おにぎり型道道標識に関する情報提供を呼びかけていたところ、zwiebelさんより写真をいただきました。polestar24.jpさん(北海道ドライブの記録)と現地を訪れ、発見されたとのことです。
写真A~写真Dは拡大できません。
zwiebelさんによりますと、ペンケ下川停車場線の起点付近で、行き止まり側に向いてひっそり立っているそうです。
錆(さび)が進行しており、一部の文字は判読不能です。標識柱もかなり錆びています。現地で見た zwiebel さんは「あとどの程度持つのか不安があります」というコメントを寄せています。
特徴である正おにぎり型をとどめており、路線名より小さい文字で「一般」と表記しているのが分かります。判読困難な部分は「道道」で間違いありません。標識の色が濃紺でないのは、時間の経過によって色があせたのでしょう(筆者の記憶違いかもしれませんが…)。
写真1を拝見して、筆者自身の古い印象が甦りました。昔のヘキサはおにぎりだった?で再現した図を修正しました。
この標識が現在まで生きながらえたのは、なぜでしょう。周辺は鉱山跡(注)という、いわば廃墟です。現在も残る排水処理施設より奥に位置しているためか、整備の目がゆき届かず、標識が更新されずにきた。半ば放置された結果ではないかと推測されます。
旧下川鉱山。1934(昭和9)年より銅の採鉱を開始。1941年、三菱金属鉱業が買収。一時は道内銅生産量の8割を占めた。1973年の従業員は570人。1982年閉山(『北海道地名大辞典』より)。
現在は排水処理施設が稼働。
正おにぎり型道道標識が現役で残っているのは、奇跡としかいいようがありません。zwiebelさんも「初めて現物を見ました」といいます。
できることなら、このまま静かに標識の寿命を全うしてほしい。そう願わずにはいられません。1960・1970年代の面影を色濃く映す、貴重な道道遺産です。
発見されました zwiebel さんと polestar24.jp さん、ありがとうございました。