1964年5月8日北海道告示

告示の条文

この日の告示は極めて特殊なので、全文を掲載します。条文は一部縦書きですが、本稿では横書きで表示します。

〇北海道告示第1132号

道道広尾港線の路線名を変更したので、北海道告示の一部を次のように改正する。

昭和39年5月8日

北海道知事職務代理者    

北海道副知事 蛯子 哲二

  1. 大正4年北海道告示第241号の一部を次のように改める。

    準地方費道の表中、番号「七六」の項を削る。

  2. 昭和32年北海道告示第1487号の一部を次のように改める。

    整理番号「二八九」の項の次に次の1項を加える。

引用者注
2の「次の1項」は、路線番号・路線名・起点・終点の順です。

告示について

旧道路法の道道、最後の生き残り

1963年、広尾町議会は広尾港を十勝港へ改称する議決をし、1964年3月31日の運輸省令第11号で改称が公示されました。

これに伴い、広尾港線の路線名を変更しました。しかし広尾港線が旧道路法で認定した路線であるため、これを廃止し、1957年7月25日にさかのぼって十勝港線を認定したという告示です。

広尾港線は1920(大正9)年に認定された路線で、原文の「大正4年」は誤りと思われます。

認定の告示から削除してしまうのは認定そのものを取り消すに等しく、1957年7月25日の告示第1488号(道道の路線の廃止)に追加する方が妥当でしょう。

なぜ、旧道路法の道道が1964年まで生き残っていたのか。なぜ、十勝港線を1957年7月25日にさかのぼって認定したのか。理由は定かでありません。

広尾港を改称した時期や、290号という整理番号は1961年3月31日廃止の清水然別湖線と明らかに重複する点を考慮すると、十勝港線を認定したのは実質1964年5月8日といえます。

準地方費道とは、1919年公布の北海道道路令に基づき北海道庁長官が認定する路線。北海道特有の道路です。