2010年1月22日北海道告示

議案
2009年第4回定例道議会第21号(北海道道の路線の認定に関する件)。11月26日提出。
議決
2009年12月9日、建設委員会審査。12月10日の本会議で起立多数、原案どおり可決。
平成22年1月22日北海道告示第10083号(道道の路線の認定)※同年1月15日認定
整理番号路線名起点終点重要な経過地道路法該当号
1177函館空港インター線(仮称) 2015年4月10日変更函館市高松町(道道函館空港線交点)函館市上湯川町6
告示について

本稿では終点で接続する、自動車専用の函館新外環状道路について、2009年度末までの状況を記述します。

建設する最大の目的は、1970年代に完成した産業道路(函館上磯線)の慢性的混雑を緩和させることです。函館市と北斗市を扇型に結ぶ同線の外側を通ります。

次の効果が期待されました。

  • 産業道路を通過するクルマを、市街地の外へ誘導する。
  • 函館空港へのアクセス向上。
  • 新しい観光ルートの形成。
  • 北海道新幹線へのアクセス向上。
  • 農水産物の輸送時間短縮。

新外環状道路の構想は1980年代からあったようです。1997年3月3日の第140通常国会予算委員会の席上、民主党の鉢呂吉雄議員の質問に対し、北海道開発庁総務管理官は次の答弁をしています(肩書等は当時)。

函館新外環状道路でございますが、昭和六十三年に函館開発建設部が実施いたしました函館圏パーソントリップ調査におきまして、都市内交通と広域交通の適切な分散を図ることによって、既にございます産業道路等の都市内における渋滞を緩和し、函館テクノパーク等の地域開発を促進する、さらには函館空港等の広域交通拠点との連結性を高めるなど、いわゆる函館都市圏における重要な機能を有する路線に位置づけられておりまして、我々といたしましては、地域高規格道路としての緊急性、重要性、必要性は高いというふうに考えております。

この時点で、計画路線昇格の可能性や事業主体について「検討中」としています。その後2005年5月21日、北側一雄国土交通大臣(当時)は開通時期について、北海道新幹線が部分開業する2015年度までに完成させたい意向を表明しました。しかし事業の進捗度が遅れており、現在は2020年度の全面開通を目指しています。

2009年度までの経過は、下の表にまとめました。

函館新外環状道路・2009年度までの経過
年月日等事業内容
1994年12月地域高規格道路の候補路線となる。
1998年6月計画路線に指定。
1998年12月空港道路を調査区間に指定。
2000年度空港道路を整備区間に、古川道路を調査区間に指定。
2001年度空港道路が新規着工準備区間になる。
2003年3月空港道路の環境影響評価(アセスメント)を含む都市計画変更手続きを開始。
2006年11月10日都市計画変更手続きが完了。
2007年3月25日函館ICステーション内で、空港道路の着手イベントを開催。
2007年4月3日函館開発建設部が、空港道路と交差する主要道路14か所に見出し杭を設置したと発表。
2009年3月常盤川橋(仮称。全長 31m)の架橋基礎工事に着手。
2009年度地形測量・地質調査・環境調査・設計協議を進める。事業費は6億4,300万円。
2010年度14億円-18億円の事業費を予定(概算要求は7億円-10億円)。

環境アセスメント

環境影響調査法の規定により、環境アセスメントが実施されます。そのため、整備区間に昇格してから道路工事の着手まで時間を要します。調査結果の概要は次のとおりです。

  • 赤川・陣川・上湯川地区に、防音壁を設置する。
  • 低騒音工事機械・防音シート・工事車輌を減らして減速走行を図るなど、工事による騒音を防止する。
  • ニホンテングコウモリ・エゾクロテン・キタキツネ・テン類・ヘイケボタルの生育環境を保全する。
  • 次の植物の生育状況を精査し、必要に応じ移植して種の保全を図る。
    • ハクサンハタザオ・ハナイカダ・カタクリ・サルトリイバラ・チカラシバ・タマミクリ・エビネ
    • このほかにも貴重な動植物が生息しており、いかに配慮するかが課題である。
参考文献・サイト
  • 「函館新聞」(2009年2月12日付)
  • 『函館新外環状道路(一般国道278号)空港道路 再評価原案準備書説明資料』(2005年度・2011年度。北海道開発局)
  • 函館新外環状道路環境検討懇談会