役場がある比布市街を除き、比布町は字名がありません。1974年に廃止されました。なぜでしょう。
比布町では1971年度から1976年度まで、登記簿作成のため地籍調査を実施しました。事業に先立ち、1970年9月から10月にかけ国土地理院は、4等三角点9か所と基準点2か所を設定しています。
それまで比布町は、1895年(明治28年)作成の測量図に基づいた土地台帳を使用していました。当時の測量技術が未熟であり、またその後の土地の変化や所有権変更を正確に反映しておらず、台帳と登記内容の相違は深刻でした。問題を解決すべく、改めて正確な測量・現地調査を行うことになりました。
成立当初からあった比布町の字は、字界が明確に区別できない状態でした。地番が全町域で一連の番号を使用していた――つまり字別でなかったため、地籍調査を円滑に進める措置として字の廃止に踏み切ったのです。1974年2月25日の町議会で議決されました。
| 字の名称 | 備考 |
|---|---|
| 字比布 | 1971年9月17日、2738番の1から3までを廃止。 平野部の広範囲が該当し、区域内に他の字が入り込んでいたようだ。 |
| 字ピップ | 1971年9月17日、次の区域を廃止。
1974年2月5日、字の一部を廃止。 |
| 字必富 | 町南部の石狩川に近い区域。「必富」を冠した特産品がある。 旭川市東鷹栖地区にも同名の字が存在した。旭川市・旧東鷹栖町の字名改正を参照。 |
| 字比布原野 | 1971年9月17日、次の区域を廃止。
|
| 字ピップ原野 | 1971年9月17日、1384番の1から2までを廃止。 1974年2月5日、字の一部を廃止。 |
| 字ランル | 蘭留地区。 |
| 字蘭留 | 蘭留地区。アイヌ語で「下る道」の意。 |
| 字トッショウ | 名称から、突哨山(とっしょうざん)の周辺でないかと考えられる。 |
| 字ヨウコシナイ | 町東部に位置していたらしく、アイヌ語の「ヨーコ・ウシ・ナイ」(シカなどを待ち伏せて狙い撃つ・のを常とする・沢の意)に由来するという。現存していれば、珍地名の一つに数えられたかもしれない。 |
| 字比布区画外 | 詳細は不明。 |
| 字比布市街予定地 | 役場所在地付近が該当するらしいが、詳細は不明。 |
比布町のように、字がない北海道の市町村は表2の通りです。国有林などの森林地帯は除外しました。
いずれも水田地帯で、石狩川水系とその支流河川が流れています。
「○線×号」などの道路区画を使って、場所を示すケースが多いようです。
| 市町村名 | 区域 |
|---|---|
| 鷹栖町 | 役場所在地周辺を除く。 |
| 富良野市 | 旧富良野町域の一部。 |
| 当麻町 | 当麻市街を除く。 |
| 長沼町 | 一部区域。 |
| 東川町 | 役場所在地周辺を除く。 |
| 南幌町 | 一部区域。 |
| 上富良野町 | 上富良野市街を除く。 |
| 新篠津村 | 字袋達布を除く。 |
現在、比布町は34の行政区があります。比布町行政区設置条例は、第1条で「町行政の円滑適正な推進に資するため」と規定しています。
1997年4月1日より「比布町住居表示に関する条例」が施行され、比布市街地に適用されました。行政区と同じ町名が付けられ、区域も一致します。
対象の地番は、年月日のリンク先をご参照ください。
| 年月日 | 町の名称(行政区) |
|---|---|
| 1997年9月29日 | 寿町1~6丁目(寿町区)・西町1~4丁目(西町区)・北町1~3丁目(北町区)・中町1~2丁目(中町区) |
| 1998年7月27日 | 東町1~3丁目(東町区)・南町1~3丁目(南町区)・新町1~5丁目(新町区)・緑町1~3丁目(緑町区) |