第1号から第6号により定めています。
この規定を表にしました。起点と終点は密接な関係にあります。
号 | 起点 | 終点 |
---|---|---|
1 | 主要地 | 主要地・主要港・主要停車場・主要な観光地のいずれか。 |
2 | 主要港 | 主要停車場・主要な観光地のいずれか。 |
3 | 主要停車場 | 主要な観光地 |
4 | 起点を含む市町村を2か所以上経由する。 | 左記の沿線と密接な主要地・主要港・主要停車場のいずれか。 |
5 | 主要地・主要港・主要停車場・主要な観光地のいずれか。 | 高速自動車国道(インターチェンジ)・国道・都道府県道のいずれか。 |
6 | 上記(1号から5号まで)に当てはまらない路線。または、地方開発のため特に必要とする路線。 |
号 | 路線名 |
---|---|
1 | 札幌夕張線、岩見沢石狩線、札幌恵庭自転車道線、当別浜益港線、倶知安ニセコ線、旭川旭岳温泉線など |
2 | 船泊港利礼公園線 |
3 | 昆布停車場ニセコ線、上芦別停車場野花南湖線、湧別停車場サロマ湖線 |
4 | 豊頃糠内芽室線、三ノ原ニセコ線、阿寒標茶線、鷹栖東鷹栖比布線、置戸訓子府北見線など |
5 | 枝幸音威子府線、釧路港線、中標津空港線、札幌停車場線、ニセコ高原比羅夫線、千歳インター線など |
6 | 蕗の台朱鞠内停車場線、美川黒松内線、洞爺虻田線、清川線、島牧美利河線、上猿払清浜線など |
主要地内の一般国道または都道府県道の交点。複数ある場合は、より重要な路線の交点。
主要地同士を結ぶ路線の場合、人口の多い主要地を起点とする。
原則として、該当施設の管理区域の境界。
駅の出入口など、該当施設の管理区域内で交通上の中心地点とすることも可能。
該当地の管理区域の境界または拠点となる場所で、自動車(自転車道線は自転車)の通行が可能であること。
原則として、最初に到達した路線の交点。
より重要な路線がその先にある場合は、該当する路線の交点。
路線を認定する具体的な基準は、建設省(現・国土交通省)が各都道府県知事にあてた道路局長通達によって定めています。
通達は、幾度かの改廃を経ています。その流れを表3にまとめました。
順番 | 発出年月日 | 通達の番号 | 通達名 |
---|---|---|---|
1 | 1954(昭和29)年7月22日 | 道発第224号 | 都道府県道の路線認定基準について |
2 | 1964(昭和39)年5月1日 | 道発第167号 | 国道の改良工事により旧道となる区間に関する都道府県道の路線認定基準について |
3 | 1971(昭和46)年10月15日 | 道政発第108号 | 都道府県道の路線認定基準について(1の通達は廃止) |
4 | 1973(昭和48)年5月28日 | 道政発第30号 | 自転車道における都道府県道の路線認定基準について |
5 | 1994(平成6)年6月30日 | 道政発第33号 | 都道府県道の路線認定基準等について(2・3・4の通達は廃止。現行の通達。2002年7月15日、国道政第12号通達により改正) |
本稿では、筆者が保有する3(以下、1971年の通達)と5(以下、現行の通達)を基に説明します。先に書いた起終点の位置も、現行の通達を参考にしました。
現行の通達では、次に掲げる路線を積極的に都道府県道へ認定すると記述しています。
- 地域相互の広域的な連携強化に資する路線
- 高規格幹線道路のインターチェンジに連絡する路線
- 各種地域開発、地域振興プロジェクトを支援する路線
- 都市機能の向上と広域的な都市圏の形成に資する放射・環状路線
- 駅、空港、港湾等広域的交通拠点との連絡を強化する路線
1971年の通達では、海上渡航の路線は都道府県営の渡船による規定がありました。現行の通達で削除されています(なお、海上を連絡する北海道道は存在しません)。
1970(昭和45)年4月3日、自転車道の整備等に関する法律が公布されました(同年の法律第16号)。
道路法で規定されたのは、1971年4月15日です(同年の法律第46号。道路法第48条の13)。
自転車道線は、1973年の通達『自転車道における都道府県道の路線認定基準について』によって認定が可能になったと考えられます。
表1で使っている道路法の用語について、現行の通達を一部参照しながら説明します。
市または5,000人以上の人口がある町を指します。人口が5,000人未満の町や村は該当しません。
次の5種を指します。
「停車場(ていしゃじょう)」とは鉄道駅を指します。
現行の通達では、特に規定はありません。信号場も該当します。
1971年の通達では、次の規定がありました(いずれかを満たせばよい)。
現行の通達では、次のように規定しています。
- 自然公園法第二条に規定する国立公園、国定公園又は都道府県立自然公園
- 都市公園法第二条に規定する都市公園のうち、国が設置する都市公園及び同法施行令第二条第一項第四号に規定する一の市町村の区域を超える広域の利用に供することを目的とする都市公園
- 文化財保護法第六九条第一項の規定に基づき指定された史蹟、名勝若しくは天然記念物の所在地又は同法第二七条第一項の規定に基づき指定された重要文化財である建造物の所在地
- 都道府県(指定市を含む。)の条例等により1から3に準ずるものとして指定された公園等
- 総合保養地域整備法第五条第四項の規定に基づき主務大臣の承認を受けた基本構想に定められた重点整備地区
- 主要な観光施設、レクリエーション施設又は温泉地
1971年の通達では、2と5がありません。そのほか、次の規定がありました(現行の通達で削除)。
道路法第7条第1項第6号に該当する「地方開発のために特に必要な道路」を、現行の通達では次のように規定しています。
当該道路の存する地域における資源の開発、産業の振興、観光開発、研究学園都市開発等の振興開発計画が樹立され、又は住宅計画、工業団地計画若しくは流通業務施設整備計画等の土地利用計画が樹立されている場合並びに地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律第二条第二項に定める拠点地区に係る基本計画が作成されている場合において、当該計画の推進上必要とされる地点とこれと密接な関係にある主要地、主要港若しくは主要停車場又は高速自動車国道、一般国道若しくは都道府県道とを連絡する路線であって、当該計画を推進するために特に必要と認められるものであること。
このほか、特に必要な路線として8項目の例外を設けています。自転車道線は、3から8まで適用外です。
路線の両端を比較するとき、交通上より重要な地点が終点になるといえます。
道路法第7条第1項の条文を掲載します。
- 市又は人口五千以上の町(以下これらを「主要地」という。)とこれらと密接な関係にある主要地、港湾法第二条第二項に規定する重要港湾若しくは地方港湾、漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第百三十七号)第五条に規定する第二種漁港若しくは第三種漁港若しくは飛行場(以下これらを「主要港」という。)、鉄道若しくは軌道の主要な停車場若しくは停留場(以下これらを「主要停車場」という。)又は主要な観光地を連絡する道路
- 主要港とこれと密接な関係にある主要停車場又は主要な観光地とを連絡する道路
- 主要停車場とこれと密接な関係にある主要な観光地とを連絡する道路
- 二以上の市町村を経由する幹線で、これらの市町村とその沿線地方に密接な関係がある主要地、主要港又は主要停車場とを連絡する道路
- 主要地、主要港、主要停車場又は主要な観光地とこれらと密接な関係にある高速自動車国道、国道又は前各号の一に規定する都道府県道とを連絡する道路
- 前各号に掲げるものを除く外、地方開発のため特に必要な道路
1950(昭和25)年5月31日公布。港湾の整備・運営等を規定します。
1950(昭和25)年5月2日公布。漁港の指定・維持管理等を規定します。
1922(大正11)年4月11日公布。「施行令」とは、法律を施行するための規則などを定めた政令。公有水面埋立法は前年の4月9日公布。河川・湖沼・海面の埋め立てに関する規定。施行令第32条第3号指定港湾での埋め立て免許には、国土交通大臣の認可を必要とします(条件により不要)。
1952(昭和27)年7月15日公布。航空機と航空事業に関する各種規定です。
1957(昭和32)年6月1日公布。国立公園・国定公園・都道府県立自然公園の規定です。
1956(昭和31)年4月20日公布。都市公園の設置と管理に関する基準を定めています。
1950(昭和25)年5月30日公布。有形または無形の重要文化財・国宝・天然記念物など各種文化財の規定です。
1987(昭和62)年6月9日公布。通称はリゾート法。リゾート滞在施設の整備により、地域の産業振興を図ります。
北海道には、重点整備地区が2か所あります(富良野・大雪リゾート地域と、ニセコ・羊蹄・洞爺周辺リゾート地域)。
地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律
1992(平成4)年6月5日公布。通称は地方拠点法。地方都市の都市機能・居住環境の向上と、産業業務施設の移転を図ります。
北海道では6地域が指定されています(帯広圏、千歳・苫小牧、函館圏、オホーツク北網、上川中部圏、釧路)。
1962(昭和37)年4月5日公布。豪雪地帯指定地域の防雪対策と産業振興を図ります。そのうち特に積雪が多く、住民の生活に支障が大きい地域は特別豪雪地帯に指定されます。
北海道は全域が豪雪地帯に指定されており、うち86市町村の全域または一部地域が特別豪雪地帯です。
1956(昭和31)年4月14日公布。通称は雪寒法。第3条第1項に指定された積雪・寒冷地の路線は、除雪・防雪等の事業に対する国の補助があります。
次の項目を満たす路線が指定の対象です(同法施行令第1条)。
指定は国土交通大臣が行い、官報で告示します。国道・都道府県道・市町村道が対象です。
2013年11月12日に、1992(平成4)年11月30日(建設省告示第1860号)以来となる新規指定を行いました。
1965(昭和40)年5月11日公布。山村の産業振興を図り、生活環境を整備します。
北海道は100市町村の全域または一部地域が指定されています。
1990(平成2)年3月31日公布。該当地域の住民福祉を拡大し、雇用を増大し、地域格差を是正するため、整備振興を図ります。2000(平成12)年3月31日で失効し、同日公布の過疎地域自立促進特別措置法(通称・過疎法)に引き継がれました。国勢調査の人口減少率により、該当市町村が決まります。
北海道では、145市町村の全域または一部地域が過疎法に該当します。
各法律の詳細は、インターネット上や法律書等で原文をご参照ください。
港名 | 市町村名 | 道道 |
---|---|---|
苫小牧港 | 苫小牧市 | △× |
室蘭港 | 室蘭市 | ○ |
港名 | 市町村名 | 道道 |
---|---|---|
函館港 | 函館市 | ○ |
小樽港 | 小樽市 | ○ |
石狩湾新港 | 石狩市 | ○ |
留萌港 | 留萌市 | ○ |
稚内港 | 稚内市 | ○ |
紋別港 | 紋別市 | ○ |
網走港 | 網走市 | ○× |
根室港 | 根室市 | ○ |
釧路港 | 釧路市 | ○ |
十勝港 | 広尾町 | ○ |
港名 | 市町村名 | 道道 |
---|---|---|
松前港 | 松前町 | ○ |
江差港 | 江差町 | |
奥尻港 | 奥尻町 | |
瀬棚港 | せたな町 | ○ |
岩内港 | 岩内町 | ○ |
余市港 | 余市町 | ○ |
石狩港 | 石狩市 | |
増毛港 | 増毛町 | ○ |
羽幌港 | 羽幌町 | ○ |
天売港 | ||
焼尻港 | ○ | |
天塩港 | 天塩町 | ○ |
沓形港 | 利尻町 | ○ |
鬼脇港 | 利尻富士町 | |
鴛泊港 | ||
香深港 | 礼文町 | × |
宗谷港 | 稚内市 | |
枝幸港 | 枝幸町 | ○ |
霧多布港 | 浜中町 | × |
えりも港 | えりも町 | |
浦河港 | 浦河町 | ○ |
白老港 | 白老町 | |
森港 | 森町 | × |
椴法華港 | 函館市 | ○ |
港名 | 市町村名 | 道道 |
---|---|---|
堀株(ほりかっぷ)港 | 泊村 | |
浜猿払港 | 猿払村 | |
崎無異港 | 標津町 | |
忠類港 | ||
昆布刈石(こぶかりいし)港 | 浦幌町 | |
西恵山港 | 函館市 |
漁港名 | 市町村名 | 道道 |
---|---|---|
函館漁港 | 函館市 | ○ |
福島漁港 | 福島町 | |
江良漁港 | 松前町 | |
青苗漁港 | 奥尻町 | |
熊石漁港 | 八雲町 | |
久遠漁港 | せたな町 | |
寿都漁港 | 寿都町 | △ |
美国漁港 | 積丹町 | ○× |
古平漁港 | 古平町 | |
苫前漁港 | 苫前町 | ○ |
落石漁港 | 根室市 | ○× |
厚岸漁港 | 厚岸町 | |
様似漁港 | 様似町 | ○ |
三石漁港 | 新ひだか町 | |
登別漁港 | 登別市 | ○ |
追直(おいなおし)漁港 | 室蘭市 | |
砂原漁港 | 森町 | |
臼尻漁港 | 函館市 |
漁港名 | 市町村名 | 道道 |
---|---|---|
吉岡漁港 | 福島町 | |
館浜漁港 | 松前町 | |
乙部漁港 | 乙部町 | ○× |
豊浜漁港 | ||
泊(後志)漁港 | 泊村 | |
神恵内漁港 | 神恵内村 | |
浜益漁港 | 石狩市 | ○ |
鬼鹿漁港 | 小平町 | ○ |
本泊漁港 | 利尻富士町 | |
恵山泊漁港 | 稚内市 | |
富磯漁港 | ||
浜鬼志別漁港 | 猿払村 | ○× |
頓別漁港 | 浜頓別町 | ○ |
雄武漁港 | 雄武町 | ○ |
沙留漁港 | 興部町 | |
湧別漁港 | 湧別町 | △ |
常呂漁港 | 北見市 | ○ |
斜里漁港 | 斜里町 | ○ |
知円別漁港 | 羅臼町 | |
松法(まつのり)漁港 | ||
標津漁港 | 標津町 | |
尾岱沼漁港 | 別海町 | ○ |
白糠漁港 | 白糠町 | |
豊浦漁港 | 豊浦町 | |
八雲漁港 | 八雲町 | ○ |
本別漁港 | 鹿部町 | |
鹿部漁港 | ||
尾札部漁港 | 函館市 | |
大澗漁港 | ||
戸井漁港 |
空港名 | 市町村名 | 道道 |
---|---|---|
函館空港 | 函館市 | ○ |
奥尻空港 | 奥尻町 | ○ |
新千歳空港 | 千歳市 | ○ |
札幌飛行場(丘珠空港) | 札幌市東区 | ○ |
旭川空港 | 旭川市 東神楽町 | ○ |
利尻空港 | 利尻富士町 | ○ |
礼文空港 | 礼文町 | ○ |
稚内空港 | 稚内市 | ○ |
紋別空港 | 紋別市 | ○ |
女満別空港 | 大空町 | ○ |
中標津空港 | 中標津町 | ○ |
釧路空港 | 釧路市 | ○ |
帯広空港 | 帯広市 | ○ |