道路の区域の決定

区域の決定とは

道路管理者が行うこと

道路管理者について

国道の場合、指定区間は国土交通省地方整備局または北海道開発局。指定区間外は都道府県。

都道府県道は各都道府県または政令市。市町村道は各市町村。

  1. 対象路線
    • 新規指定の国道
    • 新規認定の都道府県道・市町村道
    • 認定時に公示した起終点等を変更した都道府県道・市町村道
  2. 実施行為 ※1のいずれかを公示後、遅滞なく行う
    • 道路の区域を決定する。
    • 以下の内容を告示する。
      • 道路の種類
      • 路線名
      • 該当区間と敷地の幅員・延長
      • 区域を表示した図面を縦覧する場所と期間
    • 道路管理者は場所を指定し、告示した内容に関する図面を一定期間、一般の方が縦覧できる(自由に見られる)ようにする。図面は、1000分の1以上の縮尺を使用する。

区域を決定する意義

道路管理者が管理する道路の範囲を、明確にするためです。

市街地を除き、敷地の幅員は必ずしも車道(+路肩・路側帯+歩道)の幅と一致しません。道路の保全上必要な範囲を、敷地に含めるケースがあります。築堤を支える斜面や、落石・雪崩を防ぐ柵や擁壁などが該当します。告示内容により数十~数百メートルの幅員があっても、幅広の車道があるとは限りません。

重複区間とは

重複区間の取扱い

  1. 国道と重複している都道府県道・市町村道→国道の規定を適用
  2. 都道府県道と重複している市町村道→都道府県道の規定を適用

以下のケースに該当する道路管理者は、重複する道路の管理者に通知すること。

  1. 既存の国道・都道府県道・市町村道と重複する路線を指定・認定する。または路線の(区域)変更により、既存の道路と重複する。
  2. 重複する路線を廃止する。または、重複する路線(の区域)を変更する。
国道と都道府県道が重複している場合。
図1。国道と都道府県道が重複している区域。
国道の区域を変更した場合。もし都道府県道の区域を決定していなければ、A-B-C間の区域は廃止されてしまう。
図2。国道の区域が変更になり、重複は解消された。

例えば、A-B-C間で国道と重複する都道府県道があるとします(図1)。その後、国道がB地点を経由しない新ルートへ区域変更し、B地点経由は都道府県道へ降格しました(図2)。

旧国道は都道府県道として区域を決定していない場合、廃道とみなされます。回避するには、都道府県もしくは政令市がA-B-C間を区域決定し、告示しなければ引き継がれません。

ルートを策定するだけでは、重複区間は成立しません。既存の道路に重複する区域を決定して、初めて発生します。したがって、重複区間の区域決定を省略してはいけないといえます。

重複区間とは、異なる路線が重なり合っている状態です。各々を一本の線・別個の存在としてとらえ、区域を決定する必要があります。

参照した法令等
  • 道路法第18条
  • 路線認定、区域決定及び供用開始等の取扱について
    • 二以上の路線が重複する場合の法の規定の適用について
    • 他の路線と重複して路線を認定した場合の区域決定等の取扱について
    • 重複路線の一つが変更又は廃止される場合の取扱について