岩内港線は、岩内港と一般国道229号を結びます。総延長が 2km に満たないこの道道は、起終点の位置を度々移動してきました。3か所の起点と4か所の終点による、6とおりのルートが調査結果で判明しており、まさに七変化です。起終点が分かりにくいためか、地図によってルートの違いが見られます。
代数 | 期間 | 地図表示 |
---|---|---|
初代 | 1957年7月25日-1964年4月9日 | |
二代 | 1964年4月10日-1972年4月24日 | |
三代 | 1972年4月25日-1987年7月8日 |
代数 | 期間 | 地図表示 |
---|---|---|
四代 | 1987年7月9日-1992年12月17日 | |
五代 | 1992年12月18日-1996年11月7日 | |
六代 | 1996年11月8日-現在 |
図1・岩内港線の路線図。ルートは赤い線で表す(初期画面は現ルート)。マーカーをクリックすると、該当地点の情報を表示します。 初期画面を表示
町道波止場通り線・同59号線を道道に昇格するため、認定時から変わらなかった起点を図1▲のF地点からE地点へ、終点をA地点からD地点へ変更しました。
写真A・1976年8月26日撮影、旧国鉄岩内駅周辺。岩内駅は広い構内を有していた。縮尺は1万分1。
写真B・1993年7月14日撮影。整備後の岩内町道59号線(旧道道)。旧岩内駅前は道の駅へ、構内はバスターミナルへ生まれ変わった。初代~三代までの道道岩内港線全ルートが収まる。元画像のの縮尺は1万7千分1。引用に際し、角度を補正した。
E地点と現ルート交点を結ぶ岩内町道59号線が道道へ昇格したのは、1985年7月1日の旧国鉄岩内線廃止から2年あまり経過した時期です。当時は幅員が 5.5m の未舗装区間を含んでいました。これを改良すべく、道道に昇格したと考えられます。工事は1990年度から1991年度にかけて実施されました。
波止場通り線はF地点とD地点を結ぶ町道で、この一部を昇格させたのは流雪溝工事が関係しているのかもしれません。工事の完了とともに、D地点からC地点へ終点を移した可能性がありますが、四代→五代のルート変更をはじめ、本稿に記している以上の内容は未調査です。
流雪溝事業完了のためです。
流雪溝は道路の路肩に溝を掘る施設で、そこへ雪を投入し、水の力で融かして流します。
岩内町の流雪溝は海水を利用する点が特徴で、河川水より融雪に向いているそうです。
五代目ルートで昇格した区間のうち、字御崎・C地点まで 338m の工事完了に伴い、終点をA地点に戻しました。そして市街地の区間は道道のまま維持するため、起点をB地点へ変更したと考えられます。
なおE地点から現ルート交点までの約 182m は、流雪溝の設置が一部にとどまっているようです。
岩内港線は先に書いた区間を除き、新旧全ルートで流雪溝が完備されました。
上記2例は、起点→終点の方向が変更前後で反対になる、珍しいケースです。
起点・終点の変更に関する全告示を掲載します。
区間 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 岩内郡岩内町字万代岩内港から
岩内郡岩内町字万代西7番地先(2級国道小樽江差線交点)まで12.56m から 19.92m まで 720.00m
区間 変更前後の別 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 岩内郡岩内町字万代18番6地先から
岩内郡岩内町字万代174番地先(2級国道小樽江差線交点)まで前 12.72m から 12.72m まで 138.00m 岩内郡岩内町字万代18番6地先から
岩内郡岩内町字万代14番7地先まで後 18.00m から 18.00m まで 199.00m 岩内郡岩内町字万代14番7地先から
岩内郡岩内町字万代13番13地先(2級国道小樽江差線交点)まで後 22.00m から 22.00m まで 134.00m
区間 変更前後の別 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 岩内郡岩内町字大和11番8地先から
岩内郡岩内町字万代34番2地先まで前 18.00m から 18.00m まで 74.49m 同上 後 18.00m から 18.00m まで 129.66m
区間 変更前後の別 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 岩内郡岩内町字万代52番1地先から
岩内郡岩内町字大浜1番17地先(一般国道229号交点)まで前 17.50m から 39.50m まで 992.30m 一般国道229号重複 L = 19.00m 岩内郡岩内町字万代45番11地先から
岩内郡岩内町字万代1番1地先(一般国道229号交点)まで後 17.00m から 59.00m まで 1,178.97m 一般国道229号重複 L = 11.00m
区間 変更前後の別 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 岩内郡岩内町字万代35番8地先から
岩内郡岩内町字万代1番1地先(一般国道229号交点)まで前 17.00m から 24.50m まで 479.20m 一般国道229号重複 L = 11.30m 岩内郡岩内町字万代35番8地先から
岩内郡岩内町字御崎6番19地先(一般国道229号交点)まで後 17.00m から 25.00m まで 869.00m 一般国道229号重複 L = 22.80m
区間 変更前後の別 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 岩内郡岩内町字万代46番4地先から
岩内郡岩内町字御崎6番19地先(一般国道229号交点)まで前 18.00m から 59.00m まで 1,569.00m 一般国道229号重複 L = 23.00m 岩内郡岩内町字大和23番14地先から
岩内郡岩内町字万代13番13地先(一般国道229号交点)まで後 18.00m から 25.00m まで 1,338.06m 一般国道229号重複 L = 19.00m