JR幌別駅と一般国道36号を結ぶ幌別停車場線は、認定時と現在のルートが全く異なります。
一般国道36号幌別バイパスの開通によるもので、幌別地区を通る他の道道のルートにも影響を与えました。その後の改良を含めた、一連の経緯を表にします。地点等は、図1▼によります。
| 年月日等 | できごと |
|---|---|
| 1987年度 | 幌別バイパス着工。 |
| 1989年 | 弁景幌別線(現・登別室蘭インター線)の立体交差化に着手。 |
| 1989年8月8日 | 幌別バイパスを一般国道36号へ編入。 |
| 1990年2月5日 | L地点から登別市役所を経由し、G地点までを弁景幌別線へ編入。 |
| 1992年4月7日 | I地点からH地点までを弁景幌別線へ編入。同線の終点を認定時以来のI地点からG地点へ変更。 |
| 1993年4月9日 | 広域図▼のM地点→N地点→K地点→J地点を上登別室蘭線へ編入。 |
| 1993年10月26日 | 国道の幌別バイパスと道道の立体交差を供用開始。 |
| 1994年4月1日 | |
| 1996年11月19日 | 弁景幌別線のL地点→K地点→H地点を廃止。 |
| 2001年6月26日 | 幌別停車場線の起点を、拡大図▼のB地点からA地点へ変更。 |
図1・登別市幌別地区の地図。だいだいと赤の線は弁景幌別線の旧ルートを、緑の線は上登別室蘭線へ一時期編入された区間を、紫の線は幌別停車場線の旧ルートを、青の線は同線の現ルートを、同色で囲んだ箇所は2001年に幌別停車場線へ編入された区域を表す。マーカーをクリックすると、該当地点の情報を表示します。 幌別駅を拡大 幌別地区を広域表示 初期画面へ
幌別バイパスは1972年に計画され、総事業費約40億円を投じました。札幌方向の車線に歩道が設置されています。
開通後、弁景幌別線・幌別停車場線の両道道へ移管された旧ルートの交通量が激減したことは、言うまでもありません。
幌別バイパスと同時に開通したのが、国道旧ルートとJR室蘭本線をまたぐ立体交差です。23億3,100万円の事業費を費やしました。高架橋(ときめき橋)の一部にロードヒーティングを施し、橋梁のつなぎ目を減らして振動を抑える工夫もなされています。
現在、登別室蘭インター線の一部である立体交差は開通当初、弁景幌別線の一部でした。同線はもともと、幌別駅の南西で室蘭本線と平面交差し、国道交点を結ぶルートだったのです(図2▼)。
さらに、立体交差を経て道央自動車道・登別室蘭インターチェンジまでが主要地方道へ昇格します(注1▼)。その1か月前、K地点からJ地点までの市道を上登別室蘭線に編入しました。主要地方道指定に対応させるための昇格でした。政令市を除く市町村道から主要地方道への特進ができないため、変則措置をとったのでしょう。
一方で、弁景幌別線は幌別駅の北東で踏切を渡るルートへ変わり、国道の降格に伴って終点が東へ移動しました。
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写真A・1976年10月28日撮影、改築前の幌別駅周辺。西口から北西へ放射状に伸びる2本の市道のうち、右側が幌別停車場線、左側は廃道となった。国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」より引用。解像度 400dpi の写真をトリミング。縮尺は8千分1。
開業当初の幌別駅は、海側の東口に駅本屋がありました。山側の西口は1957年に開設され、橋上駅化されたのは1978年3月30日からです。市名と役所の最寄駅名が異なるため、登別駅で下車する用務客が多いとして、駅名改称を求める動きが度々起こったものの、実現に至っていません。
公共施設・商業施設は駅北部に集まっており、国道の降格によるルート変更とはいえ、幌別停車場線の起点が東口から西口へ移動したのは時代の流れといえます。ルート切り替え以前の実延長は 45m で、遠別停車場線に次ぐ短距離道道でした。
幌別駅西口へ変更した当時、幌別停車場線の起点は、写真Aの駅前広場から放射状に延びる西側の登別市道中央11号線と、線路沿いの道が交わる地点(拡大図▲のB地点)にあり、放射状に延びる東側の同中央12号線が道道に昇格しました。
「北駅前通」は幌別駅西口から富士町へ向かう都市計画道路名で、1994年度より事業化されました。内容は次のとおりです。
1999年度に駅前広場以外の事業が、2000年度に駅前広場が完成し、予定より2年早く完了しました。
登別市中心部の地理院地図。幌別駅西口から直進する道道の十字路に注目。道道弁景幌別線が通り一本分黄色に塗られているのは、写真9の旧車道部分が道道の区域に含まれている名残りである。
区間 変更前後別 敷地の幅員 延長 登別市幸町2丁目1番6から 同市幌別町2丁目1番1まで 前A 20.00m ~ 50.50m 2.806km 同上 前B 18.76m ~ 104.00m 2.899km 同上 後B 16.16m ~ 104.00m 2.899km
備考 上記A及びBは、関係図面に表示する敷地の区分をいう。
区間 変更前後の別 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 登別市幌別町3丁目1番1地先から
登別市幌別町3丁目2番1地先(一般国道36号交点)まで前 13.50m から 13.50m まで 55.90m 一般国道36号重複 L = 10.01m 登別市中央町2丁目17番1地先から
登別市幌別町2丁目1番4地先(一般国道36号交点)まで後 11.00m から 32.00m まで 2,090.20m 道道弁景幌別線重複 L = 858.50m
一般国道36号重複 L = 96.80m
区間 変更前後の別 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 登別市中央町4丁目4番1地先から
登別市幌別町5丁目2番3地先(一般国道36号交点)まで前1 11.20m から 25.08m まで 871.70m 一般国道36号重複 L = 14.50m 登別市中央町4丁目4番1地先から
登別市幌別町2丁目30番3地先(一般国道36号交点)まで前2 11.00m から 32.00m まで 695.28m 一般国道36号重複 L = 19.51m 登別市中央町4丁目4番1地先から
登別市幌別町8丁目18番地先まで後1 11.20m から 36.80m まで 2,522.20m 一般国道36号重複 L = 279.81m 登別市中央町4丁目4番1地先から
登別市幌別町2丁目30番3地先(一般国道36号交点)まで後2 11.00m から 32.00m まで 695.28m 一般国道36号重複 L = 19.51m
区間 変更前後の別 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 登別市富士町5丁目39番4地先から
登別市富士町4丁目30番4地先まで前1 16.00m から 16.00m まで 90.00m 道道弁景幌別線重複 L = 13.00m 登別市富士町5丁目39番4地先から
登別市若山町1丁目4番5地先まで前2 12.00m から 25.00m まで 2,924.55m 道道弁景幌別線重複 L = 832.98m 登別市富士町5丁目39番4地先から
登別市富士町4丁目30番4地先まで後1 16.00m から 16.00m まで 90.00m 道道弁景幌別線重複 L = 13.00m
区間 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 登別市幌別町2丁目3番6地先(一般国道36号交点)から
登別市緑町3丁目6番2地先まで14.50m から 38.50m まで 2,452.31m 一般国道36号重複 L = 19.51m