路線名の付け方は、1994(平成6)年6月30日の建設省道政発第33号・各都道府県知事あて道路局長通達『都道府県道の路線認定基準等について』(以下、現行の通達と略す)により規定しています。この通達を参考に説明します。
なお、都道府県道認定基準の通達については、認定の基準と条文の用語をご参照ください。
路線の起点と終点の名称を、起点+終点の順に呼称します。
| 主要地 | 市名または町名 |
|---|---|
| 主要港 | 該当する港湾・飛行場(空港)の名称 |
| 主要停車場 | 該当する停車場(駅)の名称 |
| 主要な観光地 | 公園名または観光施設名 |
| その他 | 村名または字(町)名 |
| 自転車道線 | 上記に準ずるほか、沿線の河川・岬等を名称に付けることができる。 |
同一名の路線がすでにある場合は、起終点の中間に経過地(経由地)の地名を挿入します。
自転車道線に、この規定はありません。
北見美幌線・北見端野美幌線
上士幌音更線・上士幌士幌音更線
置戸福野北見線・置戸訓子府北見線
現行の通達から、原則以外のケースに言及した記述を引用します。
- 注一
- 主要地の辺端部に路線の起終点がある場合等、市名又は町名で路線名を表示することが利用者に対して著しく不便をきたすこととなるときは、他の適切な名称をつけることができるものとする。
- 注二
- 五号該当路線のうち、主要港、主要停車場又は主要な観光地を起点とする路線であって起終点が同一市町村内となる場合は「○○港線」、「○○停車場線」、「○○公園線」等と呼称し、起終点が異なる市町村となる場合は必要に応じて終点の村名又は字名を挿入することができる。
- 注三
- 高速自動車国道等のインターチェンジに連絡する路線の場合は、インターチェンジの名称により「○○インター線」とすることができる。
自転車道線については、注二のみ適用されます(自転車道線の特例が通達に記述されており、「○○港自転車道線」、「○○停車場自転車道線」、「○○公園自転車道線」と呼称する点が異なる)。
注一は、現行の通達より追加されました。根室半島線や環状線が該当するでしょう。
注二の「五号該当路線」とは、道路法第7条第1項の第5号(以下、第5号と略す)を指しています。注三も含めた起終点の定義を表2に示します。
| 起点 | 終点 |
|---|---|
| 主要地・主要港・主要停車場・主要な観光地のいずれか。 | 高速自動車国道(インターチェンジ)・国道・都道府県道のいずれか。 |
「○○港線」・「○○停車場線」・「○○公園線」は港(空港)や駅・公園が起点であり、「○○インター線」はインターチェンジが終点であることが分かります。
具体例で述べると、小樽港線は「小樽港小樽線」の略であり、札幌停車場線は「札幌停車場札幌線」の略であり、網走公園線は「網走公園網走線」の略といえます。
ただし、同一の主要港・主要停車場・主要な観光地を起点とし、かつ起終点が同一市町村の路線がすでにある場合は、終点の字(町)名を路線名に挿入します。小樽港稲穂線が一例です。
注二のうち、起終点の市町村が異なる路線として、幌延町と天塩町を結ぶ問寒別停車場下国府線や、清里町と小清水町を結ぶ札弦停車場水上線などがあります。
注二については、例外があります。
起終点が同一字名内にある場合、路線名は「○○線」となります。道道では共和町の発足線、遠別町の丸松線、豊頃町の湧洞線などがあります。これらの路線は、一般国道または都道府県道交点が終点です。
注二・注三に該当する、地名・施設等が一つしかない路線名の原則をまとめます。
インター線は終点を表す。港線・停車場線・公園線など、そのほかは起点を表す。
主要地方道は1号から、一般都道府県道は101号から。連続した番号とすること。
複数の都道府県を結ぶ路線は、調整して同一の番号とする。
路線(整理)番号に関する規定は、現行の通達で初めて示されました。それまでは、特に規定がありませんでした。
主要地方道だけで151本あるため、一般道道は201号からとなっています。
整理番号を再編した1994年9月30日の告示は、通達に準ずるため実施したと考えられます。