ホロカヤントー線は大樹町の晩成温泉そばを起点とし、同町字生花の一般国道336号に至る、実延長が 9.1km 余りの道道です。
起点に近いホロカヤントウはアイヌ語で「後戻りして揚がる沼」の意とされ、ワカサギ釣りのポイントでもあります。その東に広がる生花苗沼(おいかまなえぬま)はアイヌ語の「ヲイカヲマイ」(沼に潮が越えて入る)とも、「オイカマナイ」(平たい岩が沢山ある川)の意とも言われています。「生花苗」(おいかまない)だった周辺の地名は読みにくいことから、1960年の字名改正で生花と晩成に分割されました。
それはさておき…。
道路現況調書によれば、重用延長が 2,667m とある。
最初に数値を見たとき、何かの間違いではと疑った。ルート上、重複区間発生の余地はないように思えたからです。
そこで過去の経歴を遡ると、重用延長を設定する所以が明らかになりました。
図1。ホロカヤントー線と周辺のルート。マーカーをクリックすると、該当地点の情報を表示します。 初期画面へ ルートの色を消す ルートの色を表示 認定時のルートを拡大 現ルートの改良区間を拡大 C地点を拡大
ホロカヤントー線の起終点を表にしました。地点は図1▲のアルファベットです。
| 年月日 | ルート |
|---|---|
| 1976年3月31日 | D→E。赤い線経由。 |
| 1991年10月8日 | A→D→B→C。生花経由。 |
1991年の変更で特異なのは、B地点からC地点まで一般国道336号と重複する点です。なぜ字生花の国道交点を終点とせず、不要にすら思える重用延長を設定したのか。
まず、認定時の告示から起終点を確認しましょう。
終点を字晩成と定めたことに注目してください。
終点を字生花へ変更するには、北海道議会の議決が必要です。手続きを省略するには、字晩成に終点を設けなければなりません。
そこで、図1▲のC地点まで重複区間を設定しました。
C地点をストリートビュー▲で見てみます。前方が広尾町方向で、まさに林の中です。小道の分岐点にスノーポールが立っています。ここから 5m 生花方向が、ホロカヤントー線の終点です。
字生花と字晩成の境界線が、C地点の手前で国道を斜めに横切っています。国道の区域がすべて字晩成に含まれる、スノーポールから 5m 手前を終点としたのです。
区間 変更前後の別 敷地の幅員 延長 国道等との重複区間 広尾郡大樹町字晩成52番1地先から
広尾郡大樹町字晩成204番1地先(一般国道336号交点)まで前 15.20m から 61.20m まで 3,586.80m 一般国道336号重複 L = 12.70m 広尾郡大樹町字晩成2番3地先から
広尾郡大樹町字晩成330番地先まで後 5.60m から 35.60m まで 12,244.60m 一般国道336号重複 L = 2,667.50m