深名線・新富駅の開設日

1995年9月4日に廃止された旧JR深名線新富駅は、1956年9月20日に仮乗降場から駅へ昇格し、1990年9月1日に廃止されました。これは疑う余地がありません。

問題は、いつ仮乗降場として開設されたかです。

『停車場変遷大事典』(JTB。1998年)によると、1955年9月2日です。深名線でレールバスが走り始めた時期と重なっています。運行開始前日の8月20日、以下の仮乗降場が新設されました。

  • 円山、宇摩、下幌成、新成生、上幌加内、下政和、大曲、共栄

このうち下政和は、1961年12月1日に移設し政和温泉へ改称。大曲は1976年2月1日に廃止されています。

さて、1953年に新富仮乗降場を開設したとする記録を見つけました。

1954年1月1日発行の幌加内村「村政だより」には、前年を回顧する記事が写真付きで掲載されています。該当部分を引用します。引用に際し、旧字体は新字体に直しました。

写真2 新富昇降場新設

新富昇降場(字豊富)新設については数年来陳情を続けて来たがその後状況不利新設見込なしと一時運動中止の止むなきに至つたのでありますが今年設置可能の情報を得て地元部落に於ても猛運動の結果十月七日上り二番より新富昇降場として各列車三〇秒停車する事となつた

写真には、列車内から撮影したであろう「新富昇降場」のホームが写っています。

『新幌加内町史』(2008年3月31日発行)は、総工費75万円でホーム・駅舎・便所を建設し、費用は集落と幌加内村が負担したと書いています。1953年8月27日に着工、翌9月25日に完成しました。

こうした記述から、新富駅は1953年10月7日に仮乗降場として開設されたと考えられます。

幌加内村は1959年9月1日に町制施行しました。新富駅の由来は、宗谷本線豊富駅との混同を避けるためといわれます。新富駅周辺は1960年1月1日より、駅名に合わせて字名を豊富から字新富へ変更しました。

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