5月11日から13日まで、主に宗谷地方南部を取材してきました。
「身体が動くうちに、若い頃を過ごした土地を見ておきたい」という父(当時60代後半)が運転するクルマに同行したもので、いわば追憶の旅です。私事ですが、父は2006年に脳こうそくで倒れました。治療とリハビリで日常生活が送れるまでに回復したものの、右腕に障碍が残りました。片手で操作できる特殊なハンドルを取り付け、クルマを運転しています。
美深中頓別線・兵安上頓別停車場線・枝幸音威子府線・豊牛下頓別停車場線・豊富浜頓別線・豊富中頓別線・一般国道275号などを走りました。
各沿線で目立つのは、廃屋・廃サイロが多いことです。窓や玄関に板を打ちつけている家や、崩れかけた家。サイロだけが残された草地など。ひと気の絶えた場所が、実に増えました。記憶では家があったはずなのに、更地と化している場所もありました。30数年ぶりに訪れた猿払村上猿払の変わり果てように、父は呆然とするばかりでした。
「春紅葉(はるもみじ)」が、各地で見ごろを迎えているのも印象的でした。広葉樹が発芽するときは葉緑素がないため、樹木が持つ本来の色素が出る現象です。
実地で確認すると、告示の文面や図面では分からないことが見えてきます。
もっとも筆者は、滅多に現地取材へ出かけません。一つには、運転免許を持っていないことがあります。理由はいろいろありますが、つまるところ、クルマを運転する気になれないからです。また普段は出不精であること、現地取材に回せる資金がないこともあります。乏しい資金は、公文書等の調査・文献(コピー等)の入手に優先してつぎこんでいます。
北海道の道路を写真で紹介するサイトは多数あります。そうしたサイトにない情報を公開し、ご覧になる方の参考になれば幸いです。